ノーベル賞

    惜しくもノーベル文学賞の受賞を逃してしまった村上春樹さんですが、受賞を逃したところで、彼の作品の評価は変わりませんし、すでに世界でも認知されている国民的作家ということに何ら変わることはありません。

    前回記事で、次回「ノルウェイの森」について私なりの感想を書くと述べていたので、この作品について書いていきたいと思います。

    この作品は、村上春樹さんを一気に当代有数の人気作家に押し上げた作品です。
    この作品が発表された当時、すでに村上春樹ファンを自認していた私ですが、発売当初の単行本はなんと、赤と緑の派手なクリスマスカラーの装丁。しかも、きらきら光ってる。

    発売当初から話題をさらい、瞬く間に大ベストセラーとなったこの作品に商業主義的な軽薄さを感じた私は、すぐには読むことはしませんでした。

    この作品は、中身のない作品だと自分に言い聞かせ、本を手に取ることのないまま数年が経ちました。どのくらいだったかはわかりませんが、派手な赤と緑ではない、それまでの他の文庫作品と同様比較的シンプルな文庫本となり、ようやく「ノルウェイの森」を手にしました。

    読後はしばらくその余韻に浸りながら、胸が疼き続けたことを覚えています。

    しかし、同時に疑問もわいてきました。なぜ、この作品が数百万部も売れる大ベストセラーになったのか。

    それまでの村上春樹作品と物語と登場人物は違っても、それは紛れもなく村上春樹作品でした。
    村上春樹作品としての連続性は確かにそこにありました。

    村上春樹作品は、一定の人気は博しても一大ブームとなるような、人気作家になるとは思えなかったからです。

    村上春樹さんは、赤川次郎や林真理子とは違う(ファンの方すみません)。
    彼の作品には、その辺の作家にはない繊細さと奥深さがある。

    当時まだ若かった私には、ブームとなったことがどうしても納得できませんでした。

    もちろん、赤と緑の派手な装丁と「100%の恋愛小説」というキャッチコピーが奏功したところは大きいでしょう。
    しかし、それでも騒ぎすぎのような印象はどうしても否めませんでした。

    実際私の周りにも、彼の作品が特に好きではないということいっている人は、相応にいました。もっとも、これはどの作者のどの作品も同様のことがいえますが、ブームになっていた割に、それほど人気が高くなかったような気がします。

    それから時が流れ、今や国民的作家としての地位をますます強固にしています。
    今も、村上春樹作品がそれほど一般受けするとは思っていませんが、それでも多くの人に読んでもらいたいという少々矛盾した思いを抱えています。

    ノーベル賞文学賞受賞は来年以降の楽しみなりました。


    少し長くなってしまったので次回こそ、「ノルウェイの森」の内容についての感想を述べたいと思います。





    松山ケンイチさんは、ちょっとと違和感がありましたが、水原希子さんは透明感があってよかったです。菊地凛子さんは、ちょっと年をとりすぎていて無理がありました。
     

     




    ノーベル文学賞候補の村上春樹氏は今年も受賞を逃しましたね。
    ここ数年、毎年最有力候補といわれながら、なかなか受賞にいたりませんね。

    ただ、有力候補といわれている人たちは、その後受賞することも多いようなので、来年も最有力候補ということになるのでしょう。





    以下日本経済新聞の記事です。

    ノーベル文学賞、カナダのアリス・マンロー氏

    「現代短編小説の名手」と評価 2013/10/10
    【ロンドン=上杉素直】スウェーデン・アカデミーは10日、2013年のノーベル文学賞をカナダの女性作家アリス・マンロー氏(82)に授与すると発表した。同アカデミーは「現代短編小説の名手」であることを授賞理由に挙げた。有力候補とみられた日本の村上春樹氏は受賞を逃した。
     
    2013年のノーベル文学賞に決まったカナダの女性作家アリス・マンローさん(82)=AP
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    2013年のノーベル文学賞に決まったカナダの女性作家アリス・マンローさん(82)=AP

     

    同アカデミーはマンロー氏の作品について「明瞭な心理描写を特徴とする、見事に調和のとれたストーリーの展開」と、高く評価した。

     
    マンロー氏はカナダのオンタリオ州生まれ。図書館勤務や書店経営を経て1968年に作家デビューした。「チェーホフの正統な後継者」と評され、「木星の月」(82年)、「イラクサ」(2001年)が代表作。国際ブッカー賞(09年)などを受賞している。

     
    カナダの地方に生きる人々の心の機微を繊細に描き出した。近年は老いや死などをテーマに取り上げ、国際的に高く評価されている。邦訳も多く、村上春樹氏が9月に刊行した翻訳短編集「恋しくて」にも、「ジャック・ランダ・ホテル」を収録。村上氏は「独特のリアリティー」があると指摘している。

     
    カナダ文学に詳しい佐藤アヤ子・明治学院大学教授は「英米の亜流でなく、カナダが独自の文学を追究しようとした時期に現れた作家。観察力や描写が素晴らしく、何気ない日常を描いても心の琴線に触れる。短編だけで勝負する作家は非常に少なく、価値ある受賞だ」と話している。

     
    授賞式は12月10日にストックホルムで開く。賞金は800万スウェーデンクローナ(約1億2000万円)。


    URLです。
    http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1004X_Q3A011C1CR8000/?dg=1


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